銅箔厚105µm以上の銅が使用されたプリント基板である厚銅基板は、特性を理解することで適した用途で効果を発揮できる基板です。本記事では、厚銅基板が必要な用途に加えて、通常基板と製造工程の違い、実装時の要件などについてまとめました。
厚銅基板の定義は、銅箔厚105µm以上の銅が使用された基板であることです。(※)
銅厚を増やしたことで、導体そのものの信頼性が向上し、優れた放熱性能を発揮します。
大電流耐性の向上も期待できるため、高発熱デバイス、高電流ラインを扱う機器に適している基板構造です。
主な用途として産業機器での制御基板、大電流電源ラインの車載機器、高輝度LEDなどのデバイス、熱拡散や信頼性向上を目的とした電源回路などになります。
安定した環境下での動作を目的としている場合に欠かせない基板です。
厚銅基板は厚さがメリットとなっている反面、エッチングやラミネート、穴あけ、コーティングなどの作業では注意をしなければなりません。
高度な技術が求められる工程となるため、通常基板以上の難しさがあります。
工程はおよそ6つに分けられていて、そのなかでもエッチング工程については設計で注意が必要です。
厚銅基板の場合、レジストや絶縁層の形成においても通常の基板に比べて難しくなります。
厚みのある銅は、表面がでこぼこになりやすく、均一に塗布するのも極めて難しい状態です。
実装の際に熱の管理が難しいのも特徴です。
厚銅基板は熱容量が大きいため、部品の密度が高くなってしまうとはんだ溶融が均一になりにくくなります。
仕上げの工程で熱を吸収するとヒートショックを起こし、マスクの剥がれ、密着不良の原因になる可能性もあり、通常基板とは違う難しさを抱えているのです。
通常基板と比較した場合、厚銅基板の製造や実装には一定以上の技術が求められます。
技術不足の場合、製品に不具合が生じる可能性があり、安全性が保たれません。
業者選定の際には、厚銅基板の製造・実装に関しての実績の有無を確認して、定評のある業者を選定するのがポイントです。
熱に関しての特性があるため、加工時に部品の破損を防ぐためにも高い技術力のある業者を見極める必要があります。
厚銅基板実装を依頼する場合は、設計段階から相談対応可能な業者を選ぶのも大切です。
設計から相談することで、技術が求められる大電流対応の設計や製造がスムーズに実装できます。
これらの対応が可能な業者なら、技術力も優れていると判断しやすいです。
外注で厚銅基板の製造や加工、実装を依頼する場合は銅箔厚み・電流容量・放熱要件についても事前に整理、確認しておくことが大切です。
設計検証フェーズでの依頼なら、厚銅基板の製造実績がある業者に試作から依頼できるので、万が一工程変更となった場合のリスクも抑えられます。
「通常基板との違いを知りたい」「対応してくれる業者を知りたい」という場合でも、サポートを受けやすいです。
このメディアでは、厚銅基板実装における小ロット製造・試作から、調達まで対応してくれる基板実装メーカー・業者を紹介しています。
信頼できる依頼先を探している担当者の方は、ぜひご参考ください。
基板実装の依頼先選びは、自社の課題に合う体制や技術を持っているかどうかが最大のポイント。ここでは試作スピード、部品調達力、実装難易度への対応で、それぞれ強みを持つ3社を紹介します。
仕様が固まっていなくても、Web上の標準化されたメニューを選択するだけで実装条件が確定。1枚から依頼でき、最短即日で基板試作・製造まで実行(※1)。高密度設計の代行にも対応可能。
独自の異種面付工法を採用しており、フィルムやシルク版の保管を行わないため、イニシャル費用の無料化を実現。超特急でも「1枚だけ作ると割高になる」という構想試作のネックを解消できる。
日・中・マレーシアでの最適地購買と代替提案により、調達困難な多品種生産やEOL案件に対応。生産予定に応じた1か月分の部品ストックも可能なため、安定供給と在庫負担の軽減を両立できる。
メキシコ、ベトナム、中国、マレーシアに生産拠点を持ち、調達・組立・納品も対応。北米・アジア圏で輸送コスト削減とリードタイム短縮を両立したサプライチェーン構築も目指せる。
自動実装ラインでは対応できない、0.3mmピッチの極小WLCSPや高難度BGAなどといった「高密度実装」に特化。「設計はあるが試作・実装を断られた」といった先端開発も対応できる。
高密度基板でも、年間約3,000件の実績があるリワーク技術(※2)により、周辺部品に熱ダメージを与えないピンポイントな「後付け実装」が可能。高価な試作基板の全損リスクを低減できる。