高額な製造設備は耐用年数や保証期間を超えて使用し続けることが多く、その結果、部品の摩耗などによる老朽化により、頻繁な不具合や故障が発生することも。ここでは、製造設備の老朽化がもたらすリスク、老朽化によるトラブルを防ぐための対策について紹介します。
製造設備の保証期間は種類にもよりますが概ね10年程度(※1)とされており、実際には高額なリプレイス費用を避けて耐用年数を超えて使い続けるケースが多く見られます。近年の統計では、直近1年間の設備投資目的の上位に「生産設備の更新」と「老朽設備の更新・補強」が大企業・中小企業とも最も多く選ばれており(※2)、更新需要が高いことがわかります。
また、高経年設備(メーカーが想定する寿命を超えた設備)の状況については、63.0%の企業が「増えている」と回答。対して「減っている」の回答は5.5%(差+57.5ポイント)(※2)で、多くの現場で老朽化した設備が延命的に使われている実態が浮き彫りとなっています。
さらに、老朽設備への対応が保全業務の負荷を増大させ、生産効率の低下や人件費増加を招くという課題も指摘されています(※3)。このように、老朽化は単にコストの問題にとどまらず、製造現場全体の持続性に影響を与える深刻な課題となっています。
老朽化した製造設備は、故障や不具合の発生率が高くなります。また、ベースとして旧式の設備は、新しい設備と比較すると能力が劣るうえに、省エネ性も高くありません。さらに、度重なる修理のために生産ラインを止める必要があるため、生産性も低下します。
設備老朽化にともない、不良品が発生する頻度も高くなるため、検品や交換など、設備修理以外にも物理的・人的コストが増加することに。そのため、工場全体のコスパが低下し、生産性の低下や生産コストの増加リスクを招きます。
日本プラントメンテナンス協会(JIPM)の調査によれば、保全部門の業務について「以前より難しくなっている」と回答した企業は75.3%に上り、老朽設備への対応が深刻化している実態が浮き彫りになっています。さらに「業務量が増加している」との回答も、自社従業員では60.2%、外注でも36.3%と過半数を占めており、負荷が全体的に拡大していることが明確です。
具体的な負荷増の内訳としては、「現場での実施作業」「報告・管理業務の増加」「人材スキル対応」などが上位に挙げられています。計画外の突発故障への対応や修理遅延が増加し、ライン停止による損失は1時間あたり数百万円規模に達するケースも少なくありません。結果として、保全費用と人件費が膨らみ、設備老朽化は生産性低下とコスト増大を同時に引き起こす深刻な経営リスクとなっています。
製造業の課題である設備投資や人件費の固定費増加。EMSの受託製造サービスを活用し、コスト最適化を検討してみませんか?
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老朽化した機械や設備をそのまま使い続けると、火災や従業員を巻き込む事故など、思わぬ事態が発生するリスクが高まります。例えば、予期せぬ場面で機械が落下したり、部品が外れたりするほか、制御不能となることによる指や腕の巻き込みなどの事故が発生することも。
ケガを負った従業員が労災認定されれば、損害賠償により多額なコストが発生することになります。また、死亡事故などにより行政処分などのペナルティを負えば、メディアに取り上げられ、企業イメージの大幅な低下につながるおそれもあるでしょう。
リプレイスには高額な費用が必要となるため、故障箇所のみの修理、部品交換でその場しのぎの対応をすることも少なくありません。しかし、保証期間を過ぎた機械や設備は、既に後継機にモデルチェンジされているため、修理するための部品の製造が中止されており、修理したくてもできないこともあります。
不具合が生じても部品調達ができず修理がままならないまま使用し続ければ、頻繁な生産ラインの停止、不良品による返品・交換の手間やコストなどが発生するだけでなく、事故につながるおそれもあります。
老朽化した製造設備のトラブル防止に効果的な対策の1つが定期点検の実施です。機械や設備には法定点検が課せられていますが、それ以外に自主点検も含めたこまめな定期点検を実施することが大切です。
半年に1回、1年に1回の頻度で定期点検を実施することにより、異常をできる限り早い段階で察知する必要があります。また、予防保全のため、オーバーホールを実施すれば、故障を予測した部品交換などが可能です。
自主点検を含む定期点検を実施した場合には、毎回、点検結果を記録してデータを蓄積しておくことも大切です。また、故障が発生した際にも「いつ、どの部分、どのように故障したか」について、記録を残しておけば、不具合が起こりやすい箇所を明確化することができます。
また、点検や故障の記録を残しておけば、修理業者の確認や修理もスムーズになります。一方、同じ箇所で同一の不具合が発生する場合は、設備更新のタイミングであると言えるでしょう。
高額な費用をかけて老朽化した製造設備をリプレイスする代わりに、EMS(電子機器受託製造)や製造委託を活用することで、課題解決を図る方法もあります。最新の設備を持つEMSメーカーに委託すれば、設備投資コストを抑えつつ、製造プロセスの手間を削減できます。
企画設計から納品までワンストップで対応しているEMSパートナーを活用すれば、人件費を含むリソースの最適化も可能です。
製造設備の老朽化対策としてアウトソーシングを検討する際、すべての製造ラインを一気に委託する必要はありません。自社の状況や経営戦略に基づき、委託する範囲を柔軟に選択することが重要です。
老朽化が進んでいるラインや、技術的な難易度が高い製品群だけをEMSに委託するパターンです。たとえば、新製品や高付加価値品などを優先的に外部委託することで、自社は既存品やコア製品の生産に集中できます。段階的に委託対象を広げていけるため、投資負担やリスクを抑えながら老朽設備からの脱却を進められる点がメリットです。
複数の製品に共通する工程(実装、検査、塗装、組立など)だけをEMSに任せる方法です。設備負荷やトラブルが集中しやすい工程を切り出して委託することで、老朽設備に依存したボトルネックを解消できます。また、共通工程を外部に任せることで、自社工場は前後工程や開発・試作など付加価値の高い領域にリソースを振り向けやすくなる点も特長です。
老朽化が進んだ工場や、採算が悪化している拠点をまとめてEMSに委託するパターンです。工場単位でのアウトソーシングにより、大規模な設備更新投資を回避しつつ、生産能力と品質水準を維持・向上させることができます。拠点再編や事業ポートフォリオの見直しとも相性がよく、中長期的な経営戦略に沿って生産体制をスリム化・最適化していきたい企業に適した選択肢と言えます。
このように、老朽化の状況や自社の事業戦略に応じて委託単位を選択し、EMSパートナーと連携することが、持続可能な生産体制を築く鍵となります。
上記のような「工場」単位での大胆な委託や、生産体制の根本的な見直しを検討されている企業様にご紹介したいのが、沖電気工業(OKI)の「まるごとEMS」です。
「まるごとEMS」は、単なる製造受託にとどまらず、お客様の工場資産(土地・建物・設備・人)をOKIが引き受け、長年培ってきた生産技術や管理ノウハウ(OKI-PS)を融合させることで、生産体制全体を最適化するソリューションです。
老朽化した工場や設備をそのまま抱え続けるのではなく、沖電気工業(OKI)に生産機能を委ねることで、土地・建物・設備といった固定資産をスリム化できます。自社で保有する必要のない設備投資や減価償却の負担を抑えつつ、同社の設備と生産ノウハウを「共有資産」のように活用できるため、バランスシートの軽量化と経営効率の向上が同時に期待できます。
需要の山谷に合わせて自社で設備や人員を増減させるのは、大きなリスクとコストを伴います。「まるごとEMS」では、沖電気工業の生産リソースを共通プラットフォームとして活用できるため、受注増や新製品立ち上げ、逆に事業縮小や撤退といった局面にも柔軟に対応可能です。そうすることで損益分岐点を下げつつ、需要変動に追随できるしなやかな生産体制を構築できます。
OKIは、情報通信・メカトロ・プリンターなど多様な事業で培った「高品質・高信頼」のものづくりをベースに、QCD改善を継続的に推進しています。独自システムによる工程の見える化や、OKI側主導の改善活動により、お客様が指示しなくても品質・コスト・リードタイムを日々ブラッシュアップしていきます。その結果、自社はコア事業に集中しながら、生産面では常に最新レベルのものづくり環境を享受することができます。
老朽化設備の更新問題、生産リソースの不足、工場運営の負荷増大といった課題を「まるごと」解決し、お客様がコア事業に集中できる環境を整えます。
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JAXA認定やISO13485の製造網で、自社ノウハウ不要で航空宇宙・医療など厳格な品質基準の市場へ安全に参入できます。
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高真空や放射線耐性など高度な環境試験設備を完備。過酷な環境での長期安定稼働を実証し、製品トラブルや交換の手間を大幅低減。
独立系商社の世界規模のネットワークで部材を計画調達し、市況変動に左右されない安定した生産・供給体制の構築に貢献。
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単なる手配にとどまらず、商社特有の柔軟な組み合わせ力で「ないものは創る」提案を行い、調達の課題を解決。
14カ国約50拠点(※1)の工場網を利用し、設備投資リスクを負うことなく需要地に近い現地生産や海外への生産移管を実現。
複数拠点の供給網により、有事には他工場へ速やかに生産を移管でき、顧客へ強固で安定した製品供給(BCP対応)を実現。
全製造拠点で技術や品質のグローバルマネジメントを徹底し、どの国で作ってもばらつきのない均質な品質管理をアピール可能。