フレキシブル基板(FPC)は、折り曲げたり形を変えたりできる基板であり、スマホやノートPC、ウェアラブルデバイスなど、複雑な構造を要する電気機器に使用される基板です。本記事では、フレキシブル基板の特徴と実装工程でのポイント、よくある不良・対策についてまとめました。
フレキシブル基板(FPC)とは、紙のように薄く軽い基板で、折り曲げる柔軟性が備わっています。
一般的なリジッド基板は素材にガラスエポキシ樹脂などを用いており、硬い板のような性質を持ちますが、フレキシブル基板はポリイミドフィルムなどの薄い絶縁性フィルムが主な素材です。
リジッド基板は強度があり、部品を固定する役割を担っています。
一方、フレキシブル基板はその柔軟性からリジッド基板同士を接続したり、ヒンジ部分など動きのある部分に配線を通したりする場合に活用されやすいです。
フレキシブル基板は軽量でも導電性・耐熱性に優れており、バッテリー駆動の製品にも用いられています。
ただし、静電気が発生しやすい環境だと回路にダメージを与える可能性があるため、注意が必要です。
フレキシブル基板は柔軟性が高いというメリットがあるものの、部品を配置する際やはんだ付け中にずれやすく、実装機でも安定して搬送できない場合もあります。
位置ずれを防ぐためにも、専用の治具(パレット・キャリアなど)が必要です。
フレキシブル基板への部品実装ではSMT実装(表面実装)が一般的な手法として用いられますが、リジッド基板のような剛性がなく、マウンターでの取り扱いが困難です。
場合によっては実装作業中に変形や反りが発生する可能性もあるため、マウント工程では治具を活用するのはもちろん、位置精度を高めることも重要となります。
SMT実装には、クリームはんだを溶かして部品と基板を接着させる「リフロー工程」があります。
はんだを溶かすためにリフロー炉へ投入しますが、フレキシブル基板は熱容量が小さく、急な温度変化によってダメージを受けたり、不均一に熱が入ることでたわみが発生したりする可能性もあるでしょう。
そのため、リフロー工程では適切な温度プロファイルを設定し、過熱や温度ムラを防ぐことが大切です。
実装後は慎重に治具から取り外し、外観検査・導通検査を実施します。
フレキシブル基板では目視だと不良を発見できない可能性もあるため、マイクロスコープや工業用顕微鏡を使った外観検査が必要です。
位置ずれがないか確認するために、自動光学検査(AOI)や手動検査でチェックしてみてください。
フレキシブル基板は柔軟性の高さから、温度変化や搬送時にかかる応力で伸縮・変形が起きやすく、部品の位置がずれやすい傾向にあります。
対策としては、専用治具を使って基板を固定したり、リフロー炉の温度プロファイルを調整したりすることで、位置精度の向上が期待できるでしょう。
薄く繊細なフレキシブル基板は、はんだ付け工程で不良が発生しやすく、接合部が剥離する可能性もあります。
接合部の剥離は、適切な温度管理を行ったはんだごての使用や、作業中の変形を防止するための平面な治具や耐熱マットの使用などで、リスクを減らすことも可能です。
フレキシブル基板は柔軟性があるため、実装部に曲がり・反りが発生しやすくなります。
基板が変形することで実装不良や接合不良を引き起こす可能性もあるでしょう。
実装部分の高さを調整しながら、適切に補強板を設置することで、実装信頼性の向上が期待できます。
フレキシブル基板の実装は、専用設備と経験を持つ業者に依頼することが、品質を維持するための前提条件となります。
また、いきなり実装するのではなく、まずは試作から入ることで設計の検証と精度確認を同時並行で進められるでしょう。
試作の依頼も検討している方は、以下もあわせてご覧ください。
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信頼できる依頼先を探している担当者の方は、ぜひご参考ください。
基板実装の依頼先選びは、自社の課題に合う体制や技術を持っているかどうかが最大のポイント。ここでは試作スピード、部品調達力、実装難易度への対応で、それぞれ強みを持つ3社を紹介します。
仕様が固まっていなくても、Web上の標準化されたメニューを選択するだけで実装条件が確定。1枚から依頼でき、最短即日で基板試作・製造まで実行(※1)。高密度設計の代行にも対応可能。
独自の異種面付工法を採用しており、フィルムやシルク版の保管を行わないため、イニシャル費用の無料化を実現。超特急でも「1枚だけ作ると割高になる」という構想試作のネックを解消できる。
日・中・マレーシアでの最適地購買と代替提案により、調達困難な多品種生産やEOL案件に対応。生産予定に応じた1か月分の部品ストックも可能なため、安定供給と在庫負担の軽減を両立できる。
メキシコ、ベトナム、中国、マレーシアに生産拠点を持ち、調達・組立・納品も対応。北米・アジア圏で輸送コスト削減とリードタイム短縮を両立したサプライチェーン構築も目指せる。
自動実装ラインでは対応できない、0.3mmピッチの極小WLCSPや高難度BGAなどといった「高密度実装」に特化。「設計はあるが試作・実装を断られた」といった先端開発も対応できる。
高密度基板でも、年間約3,000件の実績があるリワーク技術(※2)により、周辺部品に熱ダメージを与えないピンポイントな「後付け実装」が可能。高価な試作基板の全損リスクを低減できる。