
EMSの導入を検討している方向けに、EMS受託製造サービスの具体的な流れについて紹介しています。EMSでは、製品の生産プロセスをすべて委託することができますが、ここでは具体的にどのような流れで製品が提供されるかについて詳しく解説。そのため、製品設計から検査・品質管理までのプロセスがどのように行われているかについて把握することができます。
EMS受託製造業者は、クライアントの要求事項や契約内容に基づき、ハードウェアおよびソフトウェアの設計支援を行います。電子機器製品の設計においては、製品に求められる性能や機能はもちろん、材料や形状、サイズなどが重要となるため、要件定義作成からスタートすることが一般的です。
要件定義の作成と並行して、回路図・基板レイアウト・機械設計・ファームウェア・部品リスト・製品仕様書などを含む設計仕様書を作成します。
製品仕様や機能などを明確にしたプロトタイプを作成。ソフトウェア・ハードウェアともに細かく作り込み、確認した後に試作作成に移行することができます。また、生産がスタートするとクライアントからの製品設計変更の指示は困難となるため、入念なすり合わせが必要となります。
製品設計の次の段階が製品生産に必要な部品の調達となります。電子部品や材料をサプライヤーから調達し、適切に品質管理を行うことが必要です。具体的には、半導体や電線、コネクタなどの電子部品のほか、板金、機構部品などを調達。ちなみに、部品は国内にとどまらず世界各地から調達されることもあります。
部品調達においては、仕様や外観、動作や数量などを細かく確認し、信頼できるサプライヤーを見極めることも大切。また、この段階で部品の一括調達により、コストを抑えることも可能です。
さらに、価格だけでなく、品質や納期を考慮して、クライアントのニーズに合った部品をスピーディーに用意したり、予算内で在庫を確保したりすることも求められます。
製品の生産・製造に必要な部品調達が完了したら、電子回路を構築するためにプリント基板に電子部品を実装する段階です。電子部品の実装には、次の2種類の方法を用います。
極小ロット製造の場合は、手作業で行うこともありますが、主に専用装置など、高度な自動化が施された設備を活用して行います。また、実装方法を見極めることで多種多様な電子機器への実装が可能です。
電子機器製品の組立においては、基板実装にともない必要な機器組立のほか、配線をつなげる作業などを行います。機器組立後は、部品間の接続確認を行い、必要に応じて調整を実施。また、正常に動作するかどうかをテストします。さらに、テストで不具合がある場合は、正常に動作するまで調整を繰り返すことにも対応可能です。
完成品組立は、製造した各部品から完成品を組み立てる工程です。配線や接着、ネジ締めのほか、必要に応じて絶縁・防湿などの加工が施されることにより、要件定義にそった製品を完成することができます。
機器組立、完成品組立の工程では、正常動作のためにテストや調整が繰り返されます。それでも、最終工程として、検査・品質管理を設けて、実際に完成した製品の部品や性能の最終チェックを行うのが一般的です。
製品の外観やサイズに問題はないか、機能や電気系統に異常や問題はないかなど、厳しく検査します。また、品質管理においては、品質の維持・向上に必要な目標の設定、品質保証体制の整備などを実施。さらに、ISOなどの国際規格の認証を取得し、品質や信頼性をアピールすることもあり、総合的な品質マネジメントシステムのほか、製品分野に特化した規格もあります。
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